姫様と魔法のキス


「失礼します。王様!もうそろそろニカ様のご婚約の儀が始まります」

「わかった」


ノック音の後、ドアの外からかかったその声に父王は返事を返す。

それと同時に父王の前の席に座っていたレゼも腰を上げた。


「貴重な情報を教えてくれてありがとう」

「こちらこそ、信じてくださってありがとうございます」


心からの感謝を表すように深々と父王に礼をするレゼを見て、父王はやはりこの目の前の青年を信じることにした決断が間違ってないのだという確信を抱いた。



レゼと共に会場へと向かいながら、今回の婚約を破棄するための算段を考える。

ただいきなり気まぐれで婚約解消などしたら、それこそドヴァー国の反感を買い、対立関係になるのを免れない。

そのためなるべく反感を買わないような理由を付けて婚約破棄をしなければならなかった。




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