東の空の金星
家に帰って、一緒にシャワーを浴び、
ベッドに倒れこんで見つめあってから
ゆっくり交わって眠った。

翌朝、早く起きて一緒に東の空の金星を見つめる。


すっかり日が昇ると、大和さんは

「シマ、桜を見に行こう。桜子に報告したい。」と言ったので、

私はうなずき、一緒にオートバイに乗って出かけた。


桜のトンネルだ。


道の両脇に大きく枝を伸ばした桜の木。

道を覆うように咲く美しい桜。


道の端にオートバイを止め、振り向いて

「桜子と毎年来たんだ。どこかにいると思わないか。」と私に微笑みかけ、

「さくらこー。これから俺はシマと生きていくー。
今までありがとー。」と大きな声を出した。

結構恥ずかしい。

そうして、また、エンジンをかけ、

もう一周するように桜の道を走ってから、海岸沿いをずっと走って行った。



後ろにいる私には見えないけれど、

大和さんはきっと泣いているに違いない。

私は大和さんの背中にぎゅっと捕まる。


「来年も一緒に桜のトンネルを通りたいです。」

とエンジンの音に負けないように大声を出すと、大和さんは

「おう。」と短く返事をして、スピードを上げた。







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