INFATUATOシンドローム
すると廊下から大勢の人が走ってくる音が聞こえた。


バタンッ

そしてまた大きな音をたてて扉が開いた。


「若に彼女!?友達!?」

「可愛い子か!?」

「ダチは悪ぃ顔してんのか!?」

「うわぁ!可愛い!可愛い子いる!」

「友達、イケメンかよ!」

入ってくるなり色々言っている厳ついお兄さんたち。

同時に色々なことを言うから、何を言っているのか分からない!

私はとっさに翼の後ろに隠れるが、翼も私を庇うように立ってくれた。


父「オメェらうるせぇ!!!!」


ビクッ
璃夢・翼「「っ!」」


すると、日向くんの上に乗り抱きしめたままのお父さんが大きな声でそう言った。

そのため一気に部屋は静かになった。


父「だいたいお前ら仕事はどうした!掃除は!飯は!やってねえとは言わせねぇぞ!さっさと持ち場に戻らねぇと給料抜きだからな!?」


しかし次に放った言葉でまた部屋は騒がしくなった。

そりゃそうだよ!だってお給料ナシは酷すぎる!私だって嫌だもん!


雪「テメェが1番うるせぇんだよ!クソ親父!…っゴホッゴホッ……ゲホッゴホッ」


日向くんはお父さんの腕を頑張って振りほどき、ベッドの下にお父さんを転げ落とした。


父「だはっ!ひ、ひどいよ雪ぃ〜!」


雪「頭いてぇっ…ゴホッ、でで、けよっゲホッゲホッ」


璃夢「あぁ!日向くん!大丈夫!?」


私は日向くんに駆け寄って背中を撫でてあげる。

そして思い出した。体調が悪い日向くんの傍で、というか耳元でお父さんが大声を出したこと。


「あぁ!若重症じゃないですか!」

「薬!薬もってこい!」

「おやっさん邪魔ですよ!」

「お医者様!お医者様は見えますかァ!」

「や、闇の方か?表の方か!?」

「あぁあああ!若が辛そうだああ!」


雪「ゴホッゴホッ…ゲホッゴホッゴホッ」


さっきまで静かだった部屋が急にうるさくなってしまった。

こんな状況じゃゆっくり休めないじゃないですか…。


璃夢「すぅっ、日向くんがゆっくり寝られないでしょ!?邪魔するなら出てってください!」


私はめいいっぱい息を吸い込んでみんなに聞こえるような声でそういった。

すると厳ついお兄さんたちは静かになり、それぞれ顔を見合わせると静かに部屋を出ていった。
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