INFATUATOシンドローム

翼「じゃあ俺たちも先に行ってるな。」


璃夢「うん!ありがとう!」


翼が保健室を出ていこうとする中、雪くんはなにか言いたそうにこちらを見ていた。


雪「………出たい競技は?あるなら聞いておいてやってもいい」


璃夢「えっ、いいの?」


出たい競技は何があるか分からないけど、出来れば出たくないなって言うのが実は今の会話でできちゃったんだよね。


雪「別に。嫌ならいい」


璃夢「そ、そんなことない!ありがとう!」


だけど、どうして急に?なんだか雪くんが金曜日から優しいんだよね。ツンツンしてる事に変わりはないんだけど、なんだかツンツンがつんつんになったみたいな?

《カタカナかひらがなの違いだけだ》


翼「お前が頼れるようにしてやってんだよ」


雪くんの行動に不思議に思っていると、翼が小さい声で教えてくれた。

っ、なるほど!私が頼りやすいように場を設けてくれてるんだ。すごく嬉しいっ!


雪「おい、聞こえてる。要らないこと言うな」


翼「別に要らねぇ事じゃねぇだろ?こういうタイプには直球で言わねぇと伝わらねぇんだよ」


こういうタイプってどういうこと?なんだか少しバカにされた気がするのは気のせい?気のせいだよね?


雪「お前には関係ない。黙ってろ」


翼「あぁ?なんだよ、俺の善意を踏みにじるのかよー」


雪「邪魔なだけだ。」


翼「はぁ?お前なぁ」


少しずつ喧嘩口調になっていく二人の会話。このまま行くと大喧嘩になってしまいそうな雰囲気だ。


璃夢「あ、あの!じゃあ…騎馬戦と棒倒し以外でお願いしてもいいかな?」


翼「えぇー!璃夢、騎馬戦出ねぇの?」


璃夢「戦力にならないからね」


雪「…賢明な判断だな。出た瞬間潰されるのが目に見える」


きばせんが何かわからないけど、潰されるのが想像できるのならやっぱりやめた方がいいね

潰されて大怪我でもしたら更にお母さんに心配かけちゃうし。


翼「なら仕方ねぇか〜。じゃあ俺が璃夢に合った競技、選んできてやるよ!」


璃夢「ホントに!ありがとう!」


なんの競技があって、どんなことをするのか分かんないからすごくありがたいし、何より嬉しい!


翼「ははっ!感謝するような事じゃねぇよ!お前はこれからもっと俺に甘えればいいんだからよ」


ドキッ


雪「うわ、よくそんなセリフ恥ずかしげもなく言えるな。ヤーイタラシ、タラシー(棒読み」


翼「っ!バッカじゃねぇの!?ガキかよ!」


雪「焦っちゃってー、図星かー(棒読み」


翼「つーか棒読みうぜぇぇぇぇぇ!!」


さっきまで喧嘩腰だった会話が今では楽しくじゃれ合う雰囲気に変わっている。ふたりとも、本当に仲がいいのが伺える。

< 432 / 540 >

この作品をシェア

pagetop