伯爵夫妻の甘い秘めごと 政略結婚ですが、猫かわいがりされてます


「私、ひとりで食事をするのは好きじゃありません。一緒に食べてくれませんか?」

「……ああ」


思いついた、と言うようにオーガストは頷き、彼女の頭をいつもするように撫でる。


「一人は寂しいんだったな。いいよ。じゃあ、着替えたら僕の部屋においで」

「は、はいっ」


聞き入れてもらえたことが嬉しくて顔を上げると、オーガストがチェスターを伴って歩いていくところだ。裸にシーツを巻きつけた格好はまるで彫刻のようだ。その姿がさまになるくらい程よく筋肉がついていることに感心してしまう。


(屋敷にばかりいるみたいなのに、なんてしなやかな筋肉)


そう思ってから、なんてはしたないと気づき、ドロシアは顔を赤くする。


「みゃーん」


静かになったと思ったとたんに、猫の声がする。見ると戸口の近くにいつもの白猫がいた。


「猫ちゃん、また来てくれたの」

「みゃー」


白猫は、クローゼットの前までとことことやって来ると、尻尾で壁を叩く。


「みゃ」

「ああ。もしかして早く着替えろって言ってる?」

「みゃーん」


正解、と言われた気がして、ドロシアは苦笑して着替えるべく立ち上がった。

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