王様と私のただならぬ関係
 ぎくりとしながら、
「い、いえ……」
と言うと、

『そうか。
 じゃあ、これから、一緒に食べに行くか?』
と言われた。

 食べましたー!

 がっつりカルビ弁当に、抹茶のシュークリームまでっ!

 飲み物も、お腹にたまる新商品のねっとりロイヤルミルクティーですーっ!
と叫びたかったが、そこは、ぐっと堪え、

「わかりました。
 何時頃、来られますか?」
と訊く。

 一緒に出かけたかったからだ。

『そうだな。
 今日は車で来たから』

 まで聞いたところで、もう立ち上がっていた。

 化粧も落として、パジャマのままだ。

 二十分……

 いや、十五分で着くかな?

 厳しいっ、と思いながら、支度を始めていた。

 逆探知のために話を引き延ばす昔の刑事のように、秀人と話しながら。

 絶対、間に合わない~っ! と思っていたからだ。
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