王様と私のただならぬ関係
うーむ。
結局、此処になってしまったかーと思ってしまったのだが、メニューを見ると、安い価格でいろいろ選べて、ドキドキするな、と明日香は思っていた。
もう此処まで来たのだから、今更帰れとは言わないだろう。
もう食べたので、デザートだけで、と白状しようかと思っていたのだが。
周りから食欲をそそる匂いがしてくるので、つい、チーズハンバーグを頼んでしまった。
騒がしげで楽しげな店内を見回し、
「なんだか久しぶりに来ました」
と言うと、
「大学のときとか来てたんじゃないのか。
部活とかで」
と言われる。
「あっ、そうですね。
みんなよく食べるから、こういうところの方が……」
「如月とか」
と秀人は、明日香のセリフにかぶせるように言ってくる。
相変わらず、淡々とした口調だけど。
……もしかして、ちょっと妬いてます? と思いながら、表情を窺ったが。
相変わらず、なにを考えているのか読めない。