王様と私のただならぬ関係
 




 なんだ、殺人もやしって、と思いながら、秀人は聞いていた。

 よくわからなかったが、言いながら、明日香が黙り込んだので、追求しない方がいいのだろうな、と思い、
「そうなのか……」
とだけ言った。

 明日香の相変わらずの不思議な話を聞きながら、さっきのオシドリの話を思い出していた。

 ああいうとき、廣田だったら、上手い具合に話を広げるんだろうな、と思う。

 俺も君とオシドリのように、年をとっても仲良く生きていきたいとか。

 いや、だから、オシドリ、ずっと同じつがいで居ないだろ、と突っ込みたくなるのだが。

 廣田なら、それをわかっていても、上手いこと言うんだろうな、と思う。

 如月だったら……

「如月だったら、求愛のダンスとか踊りそうだな」
と思わず、口から出ていた。

 は? と明日香が言ってくる。

 だが、すぐに、はは、と笑っていた。

 恐らく、求愛のダンスを踊る如月を想像してみたのだろう。

 切り替えの早い奴だ。
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