170回、好きだと言ったら。



次の日の朝、あたしは自室で身支度を整えていると、玄関のチャイムが鳴り響いた。

そこにいたのはTシャツに緩めのハーフパンツを穿いたテルくんで、少しだけ額に汗が滲んでいる。


「…? テルくん、おはよう!
珍しいね、テルくんから迎えに来てくれるなんて」

「い、や…別に何でもねえ。それより実衣、腹減った」

「今日はあたしの家で食べよっか。あたし、お母さんとお兄ちゃんにお線香あげてくる」


いつもテルくんがあたしの手を引いてくれるように、あたしがテルくんの手を引けば、大人しく着いて来てくれた。

そのままリビングへ連れて行くと、テレビの電源を付けて、あたしは一人客間へ足を運んだ。


テルくんから家に来るときは大抵、悪夢を見た時だけだ。素直じゃないテルくんは教えてくれないけど、あたしにはちゃんと分かっていた。

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