華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
そっと彼女の肩に触れ、声を落ち着かせてしっかりと諭す。
「私も、父が病気になったとき、いてもたってもいられなかった。アンジェの気持ち、よくわかるから。お母さんについててあげて」
数か月前の自分と重なり、もし彼女が私のことを気にして尻込みしているのだったら、そんなこと構わないでくれていいのだと伝えたかった。
アンジェは今にも涙が溢れそうな瞳で私を見つめ、迷いを振り切るように頷く。
「……ごめん、ありがとう!」
私の手をぎゅっと握った彼女は、すぐに支度を始める。その最中、何度も謝罪とお礼の言葉を口にして、この邸宅から飛び出していった。
アンジェのお母さん、どうか無事でいてくれますように……。
そう願いながら、夕飯はもうほとんどできているけれど、片づけが残っていたためキッチンへ戻る。
洗い物をし始めて少し経った頃、訪問者が来たことを知らせるベルの音が鳴り響いた。
どうしよう、私ひとりだから出ないほうがいいかしら。アンジェがいないことは想定していなかったから、対応に困ってしまう。
悩みながらもとりあえずホールへ向かい、窓から少し外を窺ってみる。
そこから見えたのは、昼間に会った、アンジェが顔見知りだと言っていた男性だった。
「私も、父が病気になったとき、いてもたってもいられなかった。アンジェの気持ち、よくわかるから。お母さんについててあげて」
数か月前の自分と重なり、もし彼女が私のことを気にして尻込みしているのだったら、そんなこと構わないでくれていいのだと伝えたかった。
アンジェは今にも涙が溢れそうな瞳で私を見つめ、迷いを振り切るように頷く。
「……ごめん、ありがとう!」
私の手をぎゅっと握った彼女は、すぐに支度を始める。その最中、何度も謝罪とお礼の言葉を口にして、この邸宅から飛び出していった。
アンジェのお母さん、どうか無事でいてくれますように……。
そう願いながら、夕飯はもうほとんどできているけれど、片づけが残っていたためキッチンへ戻る。
洗い物をし始めて少し経った頃、訪問者が来たことを知らせるベルの音が鳴り響いた。
どうしよう、私ひとりだから出ないほうがいいかしら。アンジェがいないことは想定していなかったから、対応に困ってしまう。
悩みながらもとりあえずホールへ向かい、窓から少し外を窺ってみる。
そこから見えたのは、昼間に会った、アンジェが顔見知りだと言っていた男性だった。