華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
なんだかお行儀が悪い気がして、ぎこちなく笑いながらやんわりと遠慮する。


「あ、いえ、今は……」

「どうぞ。今なら感想が聞けますし」


彼は蓋を開けてもう一度ずいっと差し出してきて、私は思わず押し黙った。結構強引な人ね……。

若干引きつつも、ここまでされると断れない。「じゃあ」と受け取り、ためらい気味に口をつけた。

しかし、ひと口飲んでみたものの、正直想像していたほどの美味しさは感じず、微妙な顔になってしまう。

こ、これが好評なの? 青臭いし、なんか不思議な風味がするんだけど。

笑顔で感想を待っている彼に申し訳ない気分になってくる。苦手なのは私だけなのかな。

なんと言えばいいかわからなくて、とりあえずもうひと口我慢して飲んでみたとき、ラシュテさんがこんなことを話しだす。


「噂を耳にしました。あなたが閣下の恋人なんですよね。聞いた通り、とても美しい」


寄せた眉根を見られないよう、俯いていた私の耳に届く穏やかな声色は、次の瞬間に一変した。


「だが……少々頭が弱いようだ。こんな簡単な手に引っかかるなんて」

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