華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
急に冷たくなったような言葉にギクリとして、顔を上げる。すると、なぜかめまいのような感覚に襲われ、くらっとした。

……なに? 今の。それに、“簡単な手に引っかかる”ってどういうこと?

片手を軽く額に当ててラシュテさんを見やれば、さっきまでの笑顔は冷笑に変わっている。

そこではっとした。この飲み物はジュースなんかじゃなくて、危ない“なにか”なのではないか、と。

自分に危機が迫っていることに気づいた瞬間、ぐっと腕を掴まれて外へ引っ張り出された。その衝撃で手から瓶が落ち、割れた音が響く。

頭がくらくらし始め、思うように抵抗できない。


「っ、なにするの!?」

「一緒に来るんだ。あんたが他の男に汚されたと知ったら、閣下もさぞ屈辱だろう」


ニタリと口の端を上げる彼を見て、背筋に悪寒が走った。

まさか、私を犯そうとしているわけ? 冗談じゃない!

それでセイディーレに屈辱を味わわせようとしているみたいだけど、なんでそんなことを?


「どうして……っ、セイディーレになにか恨みでもあるの!?」

「恨みしかない。俺を牢屋にぶち込んだ張本人だからな」

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