華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
こ、この反応は……“昨日のことはなかったことにしておきたい”的なもの?

そうだよね、そうするしかないよね。目も合わせてもらえないのはちょっと切ないけれど。

とりあえず今は何事もなかったように接しよう、と心に決めると、料理を持ってやってきたエトワルくんが気の毒そうに言う。


「ルリさん、昨日は大変でしたね。すみません、僕がもっと早く帰っていれば……」

「あーいいのいいの! そんなこと気にしないで」


ぶり返されるとこっちが気まずいから!と心の中で叫び、そのあとは騎馬試合についての話へと方向転換させた。

刺激を受けてきたらしいエトワルくんが興奮気味に話すのを聞きながら、和やかな朝食を始める。

私は終始セイディーレのことを意識してしまっていたものの、一度も目が合うことはなかった。

彼は今なにを思っているのだろう。ずっと気まずいままなのは嫌だけれど、どうしたらいいのかわからない。

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