華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「ずっとこうしていたいが、ここまでだな」
切なげに微笑むセイディーレにそう言われ、とても名残惜しく思いつつも、こくりと頷いた。
夢の時間はもう終わり。早く現実に戻らなければ。
自分に言い聞かせ、ファスナーをきちんと上げてもらってから、彼に手を引かれて部屋を出た。
そのままダイニングに行くのだろうと思っていたけれど、セイディーレに連れられてきたのは、一階の廊下の奥にあるひとつのドアの前。
「ここは?」
「裏口だ。人通りの少ない裏道に出られる」
「え、どうして……」
なぜ裏口なんかに?と疑問に思い、すでに普段の閣下の顔に戻っている彼を見上げる。
すると、軽く手を引かれて、ふわりと抱きすくめられた。
……なんだろう。なんとなく胸がざわつく。
「リルーナ、忘れてくれて構わない。ただ、最後に言わせてくれ」
真剣な声で紡がれた“最後”という単語に、ドクンと心臓が波打つ。
「俺が生涯で愛する女は、お前ひとりだ」
耳元で囁かれた、極上の愛の言葉。
それなのに、彼の考えていることをすぐに理解した私の身体は、どんどん血の気が引いていく。
切なげに微笑むセイディーレにそう言われ、とても名残惜しく思いつつも、こくりと頷いた。
夢の時間はもう終わり。早く現実に戻らなければ。
自分に言い聞かせ、ファスナーをきちんと上げてもらってから、彼に手を引かれて部屋を出た。
そのままダイニングに行くのだろうと思っていたけれど、セイディーレに連れられてきたのは、一階の廊下の奥にあるひとつのドアの前。
「ここは?」
「裏口だ。人通りの少ない裏道に出られる」
「え、どうして……」
なぜ裏口なんかに?と疑問に思い、すでに普段の閣下の顔に戻っている彼を見上げる。
すると、軽く手を引かれて、ふわりと抱きすくめられた。
……なんだろう。なんとなく胸がざわつく。
「リルーナ、忘れてくれて構わない。ただ、最後に言わせてくれ」
真剣な声で紡がれた“最後”という単語に、ドクンと心臓が波打つ。
「俺が生涯で愛する女は、お前ひとりだ」
耳元で囁かれた、極上の愛の言葉。
それなのに、彼の考えていることをすぐに理解した私の身体は、どんどん血の気が引いていく。