華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「ふたりとも、本当にごめんなさい。私、ずっとあなたたちに嘘を……」


徐々に俯き、揺れる視界には白い床が映った。

すると、目の前にやってきたアンジェが、優しく私の肩に手を置く。


「そんなこと気にしなくていいから。あたしは、リルーナと友達になれて嬉しかったよ」


いつもの明るい声でそんなふうに言ってくれて、私は頬を濡らしたまま目線を上げた。

彼女はにこりと笑い、少し茶化したような口調になる。


「だから、これからも『姫~』なんて呼ばないからね」

「……うん。ありがとう、アンジェ」


これまでと変わらずに接してくれることが嬉しく、ありがたくて、私は泣きながらお礼を言った。

よしよし、と頭を撫でてくれるアンジェと、私たちのやり取りを温かい目で見守ってくれるエトワルくん。

ふたりにも会えてよかった。ふたりとも、かけがえのない友達だ。


「いつかまた、絶対に会いにくるから」と約束し、私は後ろ髪を引かれる思いで裏口へと向かう。

セイディーレ……心配だけど、彼ならきっと大丈夫だと信じよう。

今度会うときは、私はクラマインの姫になっているのかな。そして彼は、私たちの護衛をするのかもしれない。

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