華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
閣下に連れられて行ったのは、馬車も通れず、この道を知っている人がいるのかと思うような細い山道だった。
暗いこともあり、ビクビクしながら十五分ほど走ると、今度は道から外れた林の中を進んでいく。
メーラから降り、木の根が至るところに盛り上がっていて足場が悪いそこをなんとか歩く。すると突然視界が開け、夜空と、下のほうに街の明かりが見え始めた。
どうやら、山の中腹から景色を見渡せる空間に出たらしい。
「わぁ、綺麗な眺め……! だけど、怖いっ」
少し先に進めば、もう足場がない崖になっている。落ちたらひとたまりもないな、と思いながら独り言を呟くと、「薬師の家はそこだ」という閣下の声が聞こえてくる。
彼が顎で示すほうを見やると、崖に面して一軒の小屋がぽつんと建っていた。
蔦が絡まっているロッジのようなそこには、入口にランタンがつるされており、中からも明かりが漏れている。
こんなところに人が住んでいることに驚きつつ、閣下に倣って、小さな庭のような場所にある木に二頭の馬の綱を結びつけておいた。
そうして、閣下が木製のドアをノックする。返事も待たずに開けると、コツンとなにかがドアに当たった。
暗いこともあり、ビクビクしながら十五分ほど走ると、今度は道から外れた林の中を進んでいく。
メーラから降り、木の根が至るところに盛り上がっていて足場が悪いそこをなんとか歩く。すると突然視界が開け、夜空と、下のほうに街の明かりが見え始めた。
どうやら、山の中腹から景色を見渡せる空間に出たらしい。
「わぁ、綺麗な眺め……! だけど、怖いっ」
少し先に進めば、もう足場がない崖になっている。落ちたらひとたまりもないな、と思いながら独り言を呟くと、「薬師の家はそこだ」という閣下の声が聞こえてくる。
彼が顎で示すほうを見やると、崖に面して一軒の小屋がぽつんと建っていた。
蔦が絡まっているロッジのようなそこには、入口にランタンがつるされており、中からも明かりが漏れている。
こんなところに人が住んでいることに驚きつつ、閣下に倣って、小さな庭のような場所にある木に二頭の馬の綱を結びつけておいた。
そうして、閣下が木製のドアをノックする。返事も待たずに開けると、コツンとなにかがドアに当たった。