華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「だから、俺は……」

「あなたにそんなつもりはなくても、私は救われたし感謝してるの」


彼の言葉を遮り、力強く言い切った。

きっとセイディーレは、私のためなんかじゃないって言いたいのだろう。

でも、私にとってはありがたいことばかりで、こんなにスムーズに薬を手に入れられそうなのは、すべて彼のおかげだ。


「今日、セイディーレに会えてよかった。……また、会いたい」


緩く弧を描いた唇から、自然と本音がこぼれた。

私を見つめるエメラルドグリーンの瞳が、わずかに見開かれる。

私は明日、国へ帰る。そうしたら、しばらくはまた城の中で過ごすことになるだろう。今度いつ会えるかなんて、まったくわからない。

わからないから、伝えておきたくなったのだと思う。あなたとの出会いを、今日だけで終わりにしたくないという気持ちを。

しかし、言ったそばから羞恥心が湧いてきて、じわじわと顔が火照りだす。

正直に言いすぎたかな、とほんの少し後悔して俯いた、そのとき。

すぐそばに彼が近づいたかと思うと、両腕をぐっと掴まれ、後ろへと押された。


「きゃっ!?」

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