天使と悪魔の子
今日もアリシアのところに行った
すると、驚いたことに彼女の周りには精霊達が楽しそうに踊っている。
「アリシア…?」
気付かされる、俺と君が違う世界の者なんだって。
『アルベール!来て!』
「俺がいったら…」
精霊達は逃げるだろう
ーフワッ
すると、アリシアの香りがすぐ近くでした。
『大丈夫だよ』
俺の手を取って精霊を呼ぶ
『アルベールは“綺麗”だから』
え……
綺麗?
そんなこと、なんの目論見もなく言われるなんて思わなかった
そして次の瞬間、精霊達は俺の周りに集まった
髪の毛の間に入って頬に抱きつく精霊や肩に乗る精霊
精霊が、俺のところへ来た
『え、どうして泣いてるの?』
「精霊は、人を選ぶから…」
天使でも精霊が懐くことはなかなかない
『だから言ったじゃない。
アルベールは“綺麗”だって』
そういう意味だったんだ…
ーガサッ
近くの植物の端が動いた
「誰だ」
精霊達は一瞬で姿を消した。
「ひっ」
見てみれば同い歳くらいの子供が何人かいる
「お前、そいつは魔女の家の子だぞ!
早く離れたほうがいいって!」
魔女の……
確かに、人間界ではそんなことを言われるのかもしれない。
こんなに綺麗で、魅惑的なんだから
アリシアは長いまつ毛を伏せてワンピースの裾を握っていた。
頭に手をぽんと乗せてやる。
「今後一切、この子の悪口を言うな」
「な、なんでだよ!そいつ、人間じゃねえって」
「私見たよ!その子の傷がすっごく早く治るの」
俺がキッと睨むと、子供達は震えた。
「お前、目の色……」
「ば、化け物だあ!!!」
そう言って去っていく奴らを見て溜息をついた
「もう大丈……」
アリシアを見ると、その綺麗な目から大きな雫を落としていた。
「アリシア……?」
泣いている人を見るのは、初めてだった。
否、違うか
涙で心を動かされたのは初めてだった。
『嬉しくて…』
ーギュッ
『ありがとうっ…!』
俺はその時初めて、誰かを守りたいと思った。
でも、まだ恋心ではない
一種の情だった。