天使と悪魔の子
また時は流れ夏になった
アリシアは暑そうに頬にへばりついた短い髪を耳にかけた。
『アルベールは涼しそうだね』
「そうかな?」
魔界にいる時とは全然違う柔らかい話し方に自分でも驚く。
まるで俺がふたりいるみたいだ。
「アリシア」
その声に振り返ると、麗しい淑女がいた。
「あなたがアルベール?」
人の良さそうな笑顔をうかべている。
この人、もしかしてアリシアの…
『おばあちゃん!』
「あらまぁこんなに汗かいて…
喉が渇いたでしょ
アルベールもうちに来てくださる?」
「いいんですか?」
「もちろんよ」
優しく笑いかけてくれる人
アリシアと同じで、変な目で俺を見ない。
なんとなく胸がくすぶられるような気分になった。