彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
そうこうしているうちに、単車がたまり場であるお店の前に止まる。
キュォオオオオン!!
「凛、ついたで~」
「瑞希お兄ちゃ~ん!」
「って、わしへのお礼は!?」
「ありがとう、ヤマト!」
「催促(さいそく)せんと、言わへんのんかいな!?」
「あはは!瑞希お兄ちゃんとの距離が短くなるとつい、そっちが気になりまして♪」
「探知機かい!?」
「いいですね!瑞希お兄ちゃん探知機♪ということで、瑞希お兄ちゃーん♪」
ピッコン♪ピッコン♪と口ずさみながら目的地へと向かう。
お兄ちゃん。
お兄ちゃん。
瑞希お兄ちゃん♪
埋蔵金以上の価値のあるあなたの元へ、今参ります!
「瑞希お兄ちゃん、来まし~」
「お、待ってたぞ、凛!」
言い切る前に、ドアを開ける前に扉が開く。
「会いたかったぜ、凛?」
そう言って、出迎えてくれたのは、愛しいお方。
ギャルソンエプロンをつけ、いい香りがしている。
「あれ?お肉焼いてますか?」
「ちょうど、焼き終わったところだ。食うだろう?」
そう言って、手を引かれる。
ぬくもりが伝わってくる腕に、瑞希お兄ちゃんの手のひらがからむ。
「今日は俺が朝昼の飯を作る担当だったからよ。」
「知ってます!今日のお仕事は夕方ですもんね!?」
「よく覚えてるな!?」
「ハハハ!ほらなぁ~凛たん、瑞希のシフトを知っててて来てるんだぜー?」
「きぃい!焼けちゃうんだからぁ~!!」
「フン、確信犯が。」
「わははははは!」
「烈司さん、モニカちゃん、獅子島さん、百鬼さん。」
店内に入れば、定位置の席に座る初代メンバーがいた。