彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「みなさんも、お休みだったり、学校前だったり、休憩中だったり、暇をもてあましてたりするんですか?」
「まぁ、そんなところかなぁ~」
「あたし、あと1時間したら学校なのよねぇ~」
「俺はレポートが、一区切りついたからな。」
「わはははは!凛助、喧嘩しようぜ!!」
「しませんよ、百鬼さん!!5人勢ぞろいですか~」
(ちぇ、瑞希お兄ちゃんと二人っきりじゃないのか~)
「凛たん今、瑞希と二人じゃないことをがっかりしたよな?」
「なっ!?してませんしてません!」
「うはははは!絶対してるでぇ~宗方はん、正解や!」
「ヤマト!?」
そう言いながら、ガレージにつながる通路から店内に入ってくるヤマト。
「やっぱり、ヤマトと一緒だったか?」
「言ったろう、瑞希?俺の感が当たった♪」
「てか、エンジン音で誰でもわかるわよぉ~」
「そもそも、凛道の送り迎えは、このラジオ男に任せたからな。」
「わはははは!喧嘩するか、グラサン!?」
「うはははは!先送りにしまーす、百鬼はん!それよりも、腹へったんでなんか食わせてくださぁーい♪肉の焼ける香りがたまりまへーん!」
「ヤ、ヤマト、君って子は・・・」
「あははは!そう思ったから、たくさん出来てるぜ。2人共しっかり食って行けよ。」
「うはは!やったぁ~」
「すみません・・・瑞希お兄ちゃん。」
幼稚園児みたいにはしゃぐヤマトに、恥ずかしくなりながらも席につく。
程なくして、ゆでたニンジンとフライドポテトを乗せた巨大なハンバーグのプレーとセットが出てきた。
「ほら、お待ち!」
「わぁ~美味しそう♪」
「うはははは!いただきまーす!」
「いただきます♪」
おしぼりで手を拭き、手を合わせてからガツガツ食べ始めるヤマト。
私も食べようと思ったけど・・・・
「あ。」
ポト!
片手ではうまくおしぼりが使えず、落してしまった。
「・・・まだ右手は、使えないままか?」
「お、お兄ちゃん。」
そう言ってきた彼の目は不安げだった。