彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
突然起こった夢のような現実に、あたふたする。
そんな私に向かって、いつもの調子でギャラリーは言ってくる。
「凛道、そうしてると乙女だな。」
「ぶは!伊織の口から乙女って~」
「くぅう!イオリンの言う通り、女の子みたいに可愛い凛ちゃん!プラス、ボーイズラブ要素もあって美味しそう!!」
「わはははは!!ホモ兄弟~!!」
「って、誰が同性愛だコラ!?」
「そ、そうですよ!」
冷静になるのよ、凛!
「俺は女が好きなんだよっ!!」
「ぼ、僕・・・・も、異性が好きで~」
(ここでうっかり、『瑞希お兄ちゃんのハンバーグあーん♪』を受け入れてしまったら、ホモじゃないのにホモだと思われてしまう!)
「ホーモ、ホーモ!」
「やめろ、皇助!!」
思われなかったとしても、のちのちまでのネタにされてしまう。
現に今、野獣に瑞希お兄ちゃんがホモだと言われてる!!
瑞希お兄ちゃんがホモだと思われたらご迷惑が~・・・・・
(いや待てよ・・・!ホモの疑いを持たれた方が虫よけになるかもしれない・・・!)
私にだって、カンナさんとの恋愛関係を否定する材料になる。
その方が、好都合かしら・・・?
〔★代わりにモニカからのLOVE攻撃が発生する★〕
ヒューヒューと冷やかす先輩達の中、1人真剣に考え込む私。
それを終わらせたのは、やっぱり私の好きな人。
「馬鹿野郎共が!凛、気にせず食え!」
「え!?で、でも・・・・食べるべきか、食べないべきか・・・・!」
「悩むことかよ?もしかして、腹減ってないのか?」
「い、いえ!僕は~」
ク―キュルルルルルン!
「へ?」
「あ。」
油断した。
美味しそうな見た目と、良い香りに体が油断していた。
「凛、今のは・・・・・」
(きゃあああああああああ!!)
ええ、そうですとも!
(私のお腹の虫ですよ!!)
〔★しかも大音量だ★〕