彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「お前今のは・・・・」
「ご、ごめんなさい、僕!」
恋愛において、好きな人に聞かれたくない音ベスト10にも入るお腹の音!!
それを聞かれた恥ずかしさ。
真横でガツガツご飯を食べるヤマトの無神経さときたらもぉ~~~!!
フォローしなさいよ、関西人!!
「ち・・・違います、僕~!」
耳まで熱くなるのを感じながら、必死で弁解しようとする前に。
「あはははははは!」
爆笑された。
「なんだよ~凛『も』、腹減ってるのを我慢してたんか?」
「あ、いや・・・」
そう言った彼の顔、キュンときてしまいました。
呆れられるかと思ったけど、なんだかなごやかムードになってしまいました・・・
そこへきて、その空気をさらに良くするような笑い声が響く。
「わははははは!!腹の虫も可愛いのかよ、凛助!?」
「ははは!凛たん、我慢は体に良くないぞ~」
「きゃはは~そうよ~今の可愛い音に免じて、みーちゃんとの『あーん♪』を認めてあげる♪」
「くっくっくっ・・・!腹ペコなら、さっさと食すが良い・・・!」
「こいつらの言う通りだぜ!ますます遠慮すんなって、りん!」
「瑞希お兄ちゃん・・・」
「早くしないと、ヤマトが全部食っちまうぜ~?」
「うははははは!三分の二はいただきましたぁー!!」
「大食いですね、君は!?」
〔★凛の分まで、失われつつある★〕
「凛、遠慮すんな。俺が食わせてやるから。」
「で、ででででで、でもっ!」
「ただでさえ、利き腕、負傷してんだろう?ほらほら。」
「っ・・・!」
心の中の天秤が激しくゆれる。
(あああああああああああああああ!!もうダメ!)
恥ずかしかったけど、いろいろ言いたいことがあったけど、嬉しかったので。
(このチャンスを逃したくない――――――!!)
グイッ!
口元をおおっているシルキロールを、首まで下ろす。
「お♪」
それにヒューと、口笛を吹く瑞希お兄ちゃん。
「~~~!」
恥ずかしくて、恥ずかしくて。
への字になっている口のまま、彼を見つめる。
「にらむなよ?」
「・・・・・照れてるだけです。」
ニヤリと意地悪い顔をされ、そういうのが精いっぱいだった。