彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「お前今のは・・・・」

「ご、ごめんなさい、僕!」




恋愛において、好きな人に聞かれたくない音ベスト10にも入るお腹の音!!

それを聞かれた恥ずかしさ。

真横でガツガツご飯を食べるヤマトの無神経さときたらもぉ~~~!!

フォローしなさいよ、関西人!!





「ち・・・違います、僕~!」





耳まで熱くなるのを感じながら、必死で弁解しようとする前に。





「あはははははは!」





爆笑された。






「なんだよ~凛『も』、腹減ってるのを我慢してたんか?」

「あ、いや・・・」





そう言った彼の顔、キュンときてしまいました。

呆れられるかと思ったけど、なんだかなごやかムードになってしまいました・・・

そこへきて、その空気をさらに良くするような笑い声が響く。





「わははははは!!腹の虫も可愛いのかよ、凛助!?」

「ははは!凛たん、我慢は体に良くないぞ~」

「きゃはは~そうよ~今の可愛い音に免じて、みーちゃんとの『あーん♪』を認めてあげる♪」

「くっくっくっ・・・!腹ペコなら、さっさと食すが良い・・・!」

「こいつらの言う通りだぜ!ますます遠慮すんなって、りん!」

「瑞希お兄ちゃん・・・」

「早くしないと、ヤマトが全部食っちまうぜ~?」

「うははははは!三分の二はいただきましたぁー!!」

「大食いですね、君は!?」



〔★凛の分まで、失われつつある★〕



「凛、遠慮すんな。俺が食わせてやるから。」

「で、ででででで、でもっ!」

「ただでさえ、利き腕、負傷してんだろう?ほらほら。」

「っ・・・!」





心の中の天秤が激しくゆれる。







(あああああああああああああああ!!もうダメ!)






恥ずかしかったけど、いろいろ言いたいことがあったけど、嬉しかったので。






(このチャンスを逃したくない――――――!!)





グイッ!





口元をおおっているシルキロールを、首まで下ろす。





「お♪」





それにヒューと、口笛を吹く瑞希お兄ちゃん。







「~~~!」





恥ずかしくて、恥ずかしくて。

への字になっている口のまま、彼を見つめる。







「にらむなよ?」

「・・・・・照れてるだけです。」






ニヤリと意地悪い顔をされ、そういうのが精いっぱいだった。



< 198 / 453 >

この作品をシェア

pagetop