彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「ほら、凛が早く食べてくれないと、俺の腕がしびれちまう。腕が動かなくなるぅ~♪」
「わ、わかってます!」
ギュッと目をつむり覚悟を決める。
「そんじゃあ、いくぞ~♪」
楽しそうに瑞希お兄ちゃんが言う。
「凛、あーん、して?」
「あ・・・・・あーん・・・・!」
ギュウウウと目を閉じたまま口を大きく開ける。
(ヤダ私・・・・・開けすぎかな?)
てか、ちゃんと歯磨きできてる?
磨き残しはないよね!?
緊張状態で開けた口にそれは入ってきた。
パクン。
「っ~~~~~!!?」
ボイルされたニンジンが、バターで味付けされた野菜が口に入る。
モグモグと、口を動かし、歯でかみしめる。
食べ物ではなく―――――――――
「美味いか、凛?」
「・・・・・・・・はい・・・・・・・!」
好きな人からの愛情を、深くかみしめる。
やわらかい食べ物をかみながら、ゆっくりと目を開ける。
「美味しい・・・・・♪」
「そっか!それならよかったぜ!」
「瑞希お兄ちゃん・・・」
満面の笑みで、満足そうに言ってくれる愛しいお方。
「全部食べれそうか?」
「い、いえ!もう十分ですよ~!?」
ホント、胸いっぱいで食欲が消えた。
お腹がすいてるはずなのに、なぜか入りそうにない。
だけど、あーん♪は、いつまででもしてほしい。
難しい乙女心に、今度こそ呆れた声を出す瑞希お兄ちゃん。
「はあ?あんなにデカい腹の虫聞かせ解いて、そりゃないだろう?つーか、遠慮のしすぎでウソ言ってないか?」
「そんなこと!瑞希お兄ちゃんは食べたんですか!?」
「食ったけど、凛を見てたら食いたくなっちゃった。いただき~」
パクン!
「あっ!?」
そういうなり、私のプレートのポテトを口に入れる瑞希お兄ちゃん。
「うん、美味い!さすが俺!料理の才能もあるってか~?」
「は、はい・・・!」
その姿に、また顔が熱くなる。
だって・・・・
(同じフォークで食べた・・・・・!!)
〔★間接ラブだ★〕