彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





私の口に入れたフォークを変えることなく、自分も使う瑞希お兄ちゃん。





「凛も食べろよ、ポテト。塩加減が良いぞ~」

「え!?でもー」





共有している事実に気づかない好きな人は、再度、私に勧めてくる。




「ほら、あーん!」

(えええ!?そこまで天然なの!?)





戸惑い、思わず周囲を見渡せば・・・・





「ああーん♪凛ちゃんのこの『あ~ん♪顔』、待ち受けにしちゃおうかしらぁ~よく撮れたぁ~♪」

「さすがモニカ、角度が良いな。後で、写メしてくれ。」

「わははははは!伊織、後でムービーコピーさせろ!マニアに売りつける!」

「馬鹿者。凛道蓮は素顔もわからない謎のミステリアス総長で売り込んでるんだぞ。円城寺に仕置きをする時以外、見せるわけにはいかん。」

「えええええ!?容認の範囲!?」



〔★むしろ、それどころではなさそうだ★〕



「なにわけのわかんねぇこと言ってんだ、凛。あーんしろ、あーん!」

「瑞希お兄ちゃん・・・!!」





天使のような微笑みで私に語り掛ける好きな人。

無邪気なお方だとは思っていたけど、思ってはいたけど~~~~~





「あ・・・・・あーん・・・♪」



パクン!


「な?美味いよな~」

「おいしいれふ・・・・!!」





味ではなく、感動が全身を駆け巡る。

もう人目とか、フォークとか、気にしてる場合じゃない!!





(またとないかもしれないラブイベント、楽しまない手はないでしょう!!)






「凛、あーん。」

「あーん♪わぁ~このお肉美味しい~瑞希兄ちゃん♪」

「そうかそうか!しっかり食えよ~?食わせてやっから!」

「はい♪いただきまーす♪あーん♪」

「あーん♪」





無限ループで続くあーん♪

時々、瑞希お兄ちゃんがつまみ食いするけど構いません。




(だって、間接あーん♪なんだもん・・・!!)






「当分は、俺が食わせてやるから遠慮すんなよ?」

「はぁい・・・♪」

「うははは!えんなんとか君が見たら、大変やのぉ~」





ヤマトがそんなこと言ったかもしれないけど、関係ない。

瑞希お兄ちゃんのことで、いっぱいいっぱいだったから♪




〔★これがホントの『ごちそうさま』だ★〕



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