彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「失礼しました。お部屋をご用意しておりますので、どうぞ。」

「すみません・・・本当にお金は・・・・?」

「お帰りの際にお渡しした無料宿泊券、特別なお客様にしかお渡ししないものです。お気になさらないでください。」

「あ、ありがとうございます・・・」






敵が仕掛けたニセパーティーに参加する上で考えた。

ヤマトに乗せて行ってもらうなら、タキシードなんかで来たら怪しまれる。

男性用のスーツを『私』は持ってないけど、『僕』にはあった。





(モニカちゃんが作ってくれた王子ロリータ服が!!)





極力、フリルの少ない物を選び、組み合わせて持ってきた。

それに着替えようと思った時、場所に困った。





(トイレの個室は絶対汚しそうだし、長く入ってたら、急病と勘違いされて人を呼ばれても困るし~)





そこに来て思い出す。

獅子島さんが用意した旅館のタダ券の存在。


「受け取るのはいいが、使う時は俺に迷惑がかからないように使えよ。」と言って、女将さんから受け取った券をみんなにくれた。





(あれを使えば、着替え場所を確保できる!!)





「では、こちらのお部屋をお使いくださいね。」

「ありがとうございます。」



こうして、人に見られることなく、広い個室での着替えが可能になったのです。






「それにしても・・・脱ぐのも着るのも大変だったな・・・」



この数日、おっぱいを隠すために、何度も片手でさらしをまく練習をした。

胸を隠すため、1人、自宅の部屋でさらしを巻く。

この日のために、お父さんのスーツをこっそり借りて、何度も練習したんだから・・・

おかげで、片手生活にもだいぶ慣れた。

そしてい未だに両親は私の異変に気づかない。



(天然にもほどがあるわ。)



〔★そう言っていいか、難しいところだ★〕



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