彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「それにしても、この服は・・・・」
フリルのついたアスコットタイはどうかと思う。
基本、モニカちゃんが作るお洋服は可愛い。
かっこよさの中に可愛いさを追及しているので、悪くはないと思う。
ただし、円城寺君はともかく、可児君達からすれば、「お似合いですが、族の頭が着るのにはちょっと・・・」という可愛さらしい。
とはいえ、モニカちゃんの作る服は嫌いじゃない。
黒のチェック柄の薄いチョッキは可愛くて好きだった。
「よーし、こんなもんかな~?」
丈の短いジャケットにそでを通し、全身が見れる鏡の前に立つ。
「改めて見るとこの姿は・・・」
うぬぼれているわけじゃないけど・・・
「龍星軍の四代目総長が着るには可愛すぎない・・・・?」
(やっぱり、可児君の言う通りなのかなー・・・)
言ってしまえば、男版AKBみたいなかっこう。
雰囲気的には、不思議の国のアリス。
〔★ツッパリ感がない★〕
「はあ~・・・・これでも目立たない服を選んだわけだけど・・・仕方ないよね。」
自分を納得させながら、両手に薄手の手袋をはめる。
クーラーが利いてるからいいけど、これで外に出たら暑そう。
(片腕を気にしながら歩くのは、体力を消耗するから・・・・タクシー使おうか・・・・)
なんか、ヤンキーになってから、お小遣いの減り方が激しいのが納得できないわ・・・。
そんな思いで、部屋の内戦からタクシーを呼ぶ。
瑞希お兄ちゃんが教えてくれた一番安いタクシー会社のボタンを押した。
すぐに来てくれるというので、急いで部屋を出た。
その途中で女将さんに出会う。