彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
タクシーへの乗車時間は20分ぐらいだった。
それで目的のクルーザーに到着した。
「わーすごい・・・。」
目の前にあるのは、大きなクルーザー。
同じよう車から・・・高級車から降りてきた客達が、楽しそうに談笑しながら乗りこんでいく。
(男女比率は同じ・・・年齢層もバラバラね・・・・)
見た目でそうだとわかる人もいれば、そうじゃなさそうな人もいる。
みんな、ニセの招待状でおびき寄せられたんだと思う。
けっこうな人数がいたので、世の中、悪い人は多いものだと思う。
〔★凛もそこにカウントされている★〕
(・・・・一応、トンファーは両方持ってきたけど・・・・。)
右手が動いてくれれば、嬉しいんだけどなー・・・
先ほど軽く食べた時に薬を飲んだが、指先1つ、動く気配がない。
動かせない。
動かない右手は動く左手で、右手のポケットへと突っ込んでいた。
(攻撃できなくても、防御にはなるよね・・・?)
左手が槍なら、右手が盾。
そう思うことにした。
そして、周りの流れに沿って、私も船内へと足を踏み入れた。
入ってすぐの場所に受付があった。
「招待状をお願いします。」
「どうぞ。」
「ありがとうございます。・・・凛道蓮様ですね?」
「はい、そうです。」
「お待ちしておりました。」
招待状を見て、受付の男が笑う。
紳士的な印象の男性で、涼しげな眼もとで私を見ながら言った。
「ご案内いたします。どうぞ、こちらへ。」
「・・・・受け付けはいいんですか?」
「皆様お一人お一人を、ご案内しております。」
その言葉通り、どの客にも、蝶ネクタイの男性スタッフが1人ついていた。
「お気になさらず、参りましょう。」
「・・・・じゃあ、お言葉に甘えまして。」
危険は感じなかったのでついて行く。
赤いじゅうたんのロビーを抜ければ、視線の先がキラキラ光っていた。
(わ・・・・・すごい。)
「こちらでござます、凛道様。」
「すごいですね・・・」
案内役のお兄さんの言葉に、思わず感嘆する。
豪華なシャンデリアとものすごい美術品で飾られた船内。
内装もだけど、テーブルに並んだご馳走の山も魅力的だった。