彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「凛道様。」
答えがわかった瞬間、声がかかる。
「杉田さん・・・・」
「大丈夫ですか?お顔の色が悪いですよ。」
「・・・ええ、そうなんです・・・」
(日本人のほとんどがほとんどは右利き・・・)
「ちょっと・・・気分が悪くなりまして・・・」
(最近は左利きも増えているけど、普通は右利きを主軸にしてみんな生活してる・・・。)
「それはいけませんね!君、お水を持ってきてくれ!」
(それなのに、あのお姉さん・・・)
「どうぞ、凛道様。」
そう言って、杉田さんは私の右側に水の入ったコップを差し出した。
「そちらのドリンクは、私が持っていますので、どうぞお飲みください。」
(どうして私だけ、迷わずに『左手』の方へドリンクを差し出してこれたの・・・・!!?)
「おや、凛道様、左利きでしたか?」
そう言って、差し出す方向を変える杉田さんと、奥様相手に動きを変えたチャイナ服のお姉さんの動作は同じ。
「いりません。」
ダブる2人の動きで確信する。
「なぜ、あなたが持つ必要がありますか?」
「は?」
(考えられることは1つ。私が右手を使えないとわかっていたこと。そして―――――)
「僕が右手で受け取れば、良いだけです。利き手じゃなくても、ドリンクは飲めますよ。違いますか?」
(―――――――この杉田というボーイも、私が左手しか使えないと知ってる!!)
「お気遣い、痛み入ります。」
一瞬の間の後で、にっこりと笑うボーイ。
取りつくろう笑顔。
「我々は、お客様の給仕係です。ご遠慮なさらないでください。」
(こいつ!!)
自分のミスを誤魔化しているのか、気づいていないのか。
「それじゃあ、このオレンジジュース、受け取ってください。」
「り、凛道様?」
有無を言わさず押し付けると、素早く男から離れた。