彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「凛道様!どちらへ!?」
「お手洗いです。」
「お手洗いでしたら、中にございますよ。」
「外の風にも当たりたいんです。」
「まもなく、パーティーが始まります。」
「出向まで30分あるはずでしょう?」
「いいえ、主催者からの乾杯の挨拶があるのです。」
「船酔いしやすいんですよ。気分が悪いので、外の風に当たらせてください。」
「困ります、他のお客様のご迷惑になるようでしたら――――――」
「そうですね。帰らせていただきます。」
「凛道様!?」
「しつこいですよ!?」
「いけません、凛道様。」
「なにがいけないんです!?」
「あなた様が主役なので、お帰り頂くわけにはいかないのです。」
「え?」
バタン!バターン!!
杉田の声に合わせて、すべての出入り口がしまる。
演奏が止まる。
「な、なにこれ!?」
思わずしまったドアに駆け寄り、左手で押してみる。
ドンドン!
叩いたり、押したりするけど、びくともしない。
というか、この手触りは木材じゃなくて―――――――――
「無駄ですよ。木材に見せかけた超合金でございます。」
「なっ!?」
振り返れば、キレイな姿勢で私を見る杉田がいた。
奴だけじゃない。
他の客も、給仕達も、演奏者もすべて・・・・私を見つめていた。
「右手は出されませんか?」
「――――――――――これが招待客に対する態度・・・・・ではなさそうですね・・・!?」
「さすが、凛道様。」
ニッコリと杉田が笑えば、爆笑が起きる。
「聞いたか!?天下の龍星軍が、まだ気づいてないみたいだぜ!?」
「狩られる側だと知らずにノコノコ気やがって~!」
「やっぱり、あれはニセの招待状でしたか・・・・!?」
「おや、ご存じの上で、お1人でいらっしゃったんですか?」
周囲のネタばらしを受け、冷静に聞き返せば、淡々と杉田が聞いてくる。
だから答えてやった。