彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
あまりのシスコンぶりに俺も馬鹿馬鹿しくなる。
「妹に萌えてどーすんだよっ!お兄様の指示に従えないなら、今後一切、凛に会わせねぇぞ!」
「あーん、わかりましたぁ~!ますみ、帰りますぅ・・・!ああ・・・これが現代版のロミオ&ジュリエットなのねぇ~!?愛しのりっ君ロミオ~!」
「くう~泣かせるぜ!安心しろ、ますみ。外に出ちまえばこっちのもんだ・・・お姉ちゃんが、『弁才天』総出で、見つけ出してやるよー!」
「さすが、お姉ちゃん♪頭いい~」
「よくねぇーよ!真田先輩!!」
「烈司&伊織、ガレージまで送ってやれ。」
一之瀬姉妹のやり取りにカンナがツッコみ、俺が仲間に指示を出す。
「はいはい。怪しい動きしないようにねぇ~」
「妙な真似したら、即・出禁にする。」
「「えーそんな!?」」
〔★最強タッグが監視についた★〕
烈司はともかく、伊織の怖さは、一之瀬姉妹もよくわかっていたのだろう。
「く・・・獅子島さんがいては、これでは凛道さんを探せない・・・・!」
「もぉ~じゃあ、今日のところは、獅子島先輩、てゆーか、お2人の先輩の顔をたてて、りっ君をあきらめるよ。」
自分達を包囲する烈司&伊織に一之瀬妹がギブアップする。
「今日のところは大人しく引き下がりますわ、瑞希お兄様。」
「だから瑞希先輩を気安く――――!!」
「別に気にしねぇよ、大河。それで喧嘩が収まるなら安いもんだ。」
「ホント、女には甘いっすね!?」
「ホント、りっ君とそっくりぃ♪~りっ君の次に好きになりました~♪」
「誰が2番だこの野郎!」
「やめろ、大河。」
「じゃあ、今日はますみ帰るけど~高千穂さん!」
「あん?」
大河の言葉を無視すると、ガンを飛ばしている相手を指さしながら一之瀬妹は言った。