彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






「いい気にならないでね?」

「あんだとぉ?」

「『凛道蓮のお守り役』とか言いながら、世話女房役で、押しかけ女房しようとしてるのが、バレバレなんだからね!?」

「はあ!?誰があいつの嫁になるか!!」

「あっそ♪じゃあ、覚えておいて!りっ君のお嫁さんになるのは、ますみなんだからね?」





堂々と言い切ると、可愛い笑みを作りながら妹の方は言った。





「じゃあ、みなさん失礼しまぁ~す♪瑞希お兄様、ごきげんよう~」





ウィンクする姿は、確かに可愛い。




「「「や、やばい・・・!」」」




男とわかっていながらも、頬を染める長谷部と吾妻と可児が微笑ましい。




「機嫌はビミョーだが、き~つけて帰れよ。」

「はぁーい、瑞希お義兄様。モニカお姉様、今度お茶しましょうね?」

「いいけど、凛ちゃんは渡さないわよ?」

「もちろん、物事の分別(ふんべつ)はつけておりますわ。帰ろ、お姉ちゃん♪」

「もちろんだ、愛する妹よ!略して、愛妹(あいまい)よ!それでは失礼します!!初代先輩方!あと現役の皆さんも!」

「烈司、伊織、頼んだぞ。」

「りょーかい。」

「手のかかることだ。」




俺の言葉で、烈司と伊織が2人を連れ、裏口から店内に出る。

見舞いのフルーツカゴを置いて去って行く姉妹を見て思う。




(・・・・凛はどういうつもりなんだろうな・・・・)

「凛の奴、どういうつもりなんだよ!」





俺の心の声と、高千穂の発言がだぶる。





「ふったくせに、期待させる真似しやがって!!」





そう言って怒る顔を見ていたら、なんだか俺の方が、居心地が悪くなってしまった。

それでも、かわいそうだとは思いつつも言った。



< 319 / 453 >

この作品をシェア

pagetop