彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「いい気にならないでね?」
「あんだとぉ?」
「『凛道蓮のお守り役』とか言いながら、世話女房役で、押しかけ女房しようとしてるのが、バレバレなんだからね!?」
「はあ!?誰があいつの嫁になるか!!」
「あっそ♪じゃあ、覚えておいて!りっ君のお嫁さんになるのは、ますみなんだからね?」
堂々と言い切ると、可愛い笑みを作りながら妹の方は言った。
「じゃあ、みなさん失礼しまぁ~す♪瑞希お兄様、ごきげんよう~」
ウィンクする姿は、確かに可愛い。
「「「や、やばい・・・!」」」
男とわかっていながらも、頬を染める長谷部と吾妻と可児が微笑ましい。
「機嫌はビミョーだが、き~つけて帰れよ。」
「はぁーい、瑞希お義兄様。モニカお姉様、今度お茶しましょうね?」
「いいけど、凛ちゃんは渡さないわよ?」
「もちろん、物事の分別(ふんべつ)はつけておりますわ。帰ろ、お姉ちゃん♪」
「もちろんだ、愛する妹よ!略して、愛妹(あいまい)よ!それでは失礼します!!初代先輩方!あと現役の皆さんも!」
「烈司、伊織、頼んだぞ。」
「りょーかい。」
「手のかかることだ。」
俺の言葉で、烈司と伊織が2人を連れ、裏口から店内に出る。
見舞いのフルーツカゴを置いて去って行く姉妹を見て思う。
(・・・・凛はどういうつもりなんだろうな・・・・)
「凛の奴、どういうつもりなんだよ!」
俺の心の声と、高千穂の発言がだぶる。
「ふったくせに、期待させる真似しやがって!!」
そう言って怒る顔を見ていたら、なんだか俺の方が、居心地が悪くなってしまった。
それでも、かわいそうだとは思いつつも言った。