彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)



「ウェイウェイウェイ!俺も帰ります系~!リンリンいなくなった時点で、俺のハートブレイクが止まらない的な!リンリンいないのに、いても意味ないし、初代の先輩方の帰れコールは超ラッキー♪」

「って、失礼だぞチャラオ!!普通に帰れって言えや、ボケ!凛さんがいなくてつまんねぇーのはオメーだけじゃねぇし!すんません、つーことで、俺らも帰ります。力及ばず、すみません。」

「おう、オメーも十分失礼な発言してっけどな、可児。」

(凛を慕って集まってるとは言え、正直な発言しすぎだろう?)



〔★凛への愛に満ち溢れている★〕



「じゃあ先輩方、俺達も失礼しますけど・・・・」



そこまで言って、言葉を止める大河。



「なんだよ、どーした?」

「瑞希先輩。」



きりっとした表情で大河は俺に言った。




「なんかあったら、必ず最初に、俺に知らせてくれますか?」

「・・・ちゃんと知らせる。全員に平等にな?」



じっと見てくる相手の肩を叩きながら告げる。



「その場に応じて、連絡してやる。」

「・・・それって、場合によっては、一番には知らせてくんないってことすか?」

「龍星軍の頭は誰だ?」

「・・・凛道すけど。」

「わかってんならいい。凛相手に、ムキになるなよ。らしくねぇー。」

「ムキになってないっす。これ以上、負けられないだけっす。」

「負けられない?」

「とにかく、約束っすよ?」



聞き分けない言葉を宣言すると、ゆっくりと俺から離れていく大河。



「失礼します、初代総長の瑞希先輩。」



淡々とした口調で言うと、深々と会釈して俺に背を向ける。



「おい、大河!」

「待てよ!」

「ガキかテメーは!?」

「うはははは!」



そんな『頭』を追いかける爆裂弾と、のん気に笑う関西人と、スマホをいじる元半グレと、気まずそうな表情の硬派が続く。

一番最後にいた可児が、俺達全員に向けて無言のお辞儀をして去る。

部屋には、初代龍星軍メンバーだけが残った。



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