彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「たく・・・・」
(なんだってんだ?)
「スゲー自己主張だったな?」
「よほど、お前に自分をアピールしたいらしいぞ、瑞希?」
「え?」
ため息交じりでぼやき、そう思ったところで、俺の心を読んだかのような声がした。
「烈司、伊織。」
出て行った後輩達と入れ替わるように、可愛い姉妹(?)の見送り役をしてくれた二人が戻っていた。
「オメーら、一之瀬姉妹は・・・?」
「ちゃんと帰ったぜ。お姉ちゃんはずっーと、妹のご機嫌を取ってたけどな?」
「やれやれ・・・あれは死んでも凛道を諦めんぞ。」
苦笑いとあきれ顔を見せる2人、こちらの表情も緩む。
「そりゃあ、凛に言ってやってくれ。あいつ、高千穂がいるのに~」
「あーら、みーちゃん!あたしもいるんですけどォー?」
「モニカ?」
「あの子がOKなら、あたしだってありじゃない~?今は良きお姉様でも~凛ちゃんが成人すればぁ~大人の関係に・・・きゃっん♪」
「わはははは!いいな、それ!!女同士のつかみ合いは、見る分には楽しいからな!!」
「何でも戦いにすんなよ皇助!モニカも、凛に手ぇ出したらぶっ殺すからな!?」
「あん!そうやってブラコンするんだからぁ~!恋愛にまで口出しすると、凛ちゃんに嫌われるわよ~!?」
「モニカの場合、該当するのは防犯項目だ。」
「イオリン!」
「今回の忍者の件と比べれば、警戒レベルは低いがな。」
そう言いながら、定位置である席につく伊織。
開きっぱなしのパソコンをのぞき込む、冷静沈着な切れ者の男。
その姿に、俺は自然と口が開いていた。