彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「伊織、忍者の情報は?」
「把握した。」
「居場所もか?」
「ああ・・・。烈司を頼らんでもいいだろう。」
その返事に誰ともなく、安堵の息を漏らす。
「助かったぜ。あの探し方をするのは、体力使うからよぉ~」
「ホントよねぇ~前回、力使ってぐったりしたれーちゃんを、凛ちゃんが介抱するっていう羨ましい展開になったから、あたし心配だったのぉ~!今回は、抜け駆けのラブラブを心配しなくていいのねぇー!」
「わははは!オメー、烈司じゃなくて、凛助が烈司に優しくしねぇことにホッとしてんのかよぉ~!?」
「モニカテメー!友達がいのない奴だな!?」
「お黙り!膝枕までしてもらって~!ねぇ、みーちゃん!?」
ギャーギャー騒ぐ仲間に、モニカの問いかけに俺は答えない。
答えないというよりも・・・
「伊織。」
「なんだ?」
「なんで、不満そうな面してんだよ・・・」
別のことが気になったので、問いかけに答えなかった。
「みーちゃん?」
「瑞希?」
気になった相手であるメガネのマブダチに聞いた。
「いつものお前なら、もっとすっきりした面してるだろう?なんで、不機嫌そうなんだ?」
長年の付き合いから、伊織のポーカーフェイスのかすかな違いがわかるようになっていた。
みけんのしわが一本増えているぐらい、見分けることは出来る。
「伊織?」
「・・・・つまらんことだ。」
伊織も伊織で、俺に嘘をつくのは面倒だと長年の経験でわかっているらしい。
ため息交じりに背伸びしながら言った。