彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
俺の顔と、人相の悪い男の顔が近寄る。
息がかかるかかからないかの距離。
これに相手は、赤い顔でつぶやく。
「お・・・・女・・・・!?」
ブチ。
「誰が女だコラァァァ!!」
ゴンッ!!
「ぐはっ!!」
ジャックナイフの姿勢から頭突きを食らわせる。
喧嘩で鍛えぬいた頭部攻撃。
「うーん・・・!」
それで俺を女と馬鹿にした阿保が倒れた。
「悪口は選んで言いやがれ!!」
〔★敵は本気で言っている★〕
吐き捨て、単車を止める。
冷静じゃなかったのがよくなかったと思う。
「オラ!」
ガシッ!?
「なっ!?」
「はははは!捕まえたぜ、真田瑞希ちゃん!?」
背後から羽交い絞めにされる。
けっこうタッパ(背)の高い奴。
「お前を渡せば、アキナさまからご褒美が―――――――――」
「もらえないよ。」
ヒュン!パカーン!!
「ブッ!?」
ご機嫌で言った敵の顔に何かが当たる。
(―――――――――今だ!!)
それで利き足を振り上げた。
「オラぁァァァ!!」
ドカッ!!
「ぶえ!?」
俺のつま先が、足首が、相手の顔面にヒットする。
「う・・・・・う・・・」
ドーン!
「気安く『ちゃん』づけすんじゃねぇっての!
「さすが、真田瑞希さん!」
今度こそ、捨て台詞を吐けば、パチパチと手を叩く音がした。
誰が拍手したかはわかってる。
「軒猿。」
「いや~助かりました。残りの4人・・・・最後のは大したことなかったんですけど、最初の1人が手ごわくて。なんせ、銃もある。」
「さっきのも忍者の武器か?」
「銀メッキを張った木製の『流星錘(りゅうせいすい)』ですよ。」
〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
流星錘(りゅうせいすい):ひもや鎖にお守りをつけて、投げて使う武器のことだよん♪