彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「す、すんません!!」
烈司の態度に萎縮する大河。
「たく!待ってろって言ったのによ・・・・」
「教えたのか、烈司!?」
「仕方ないだろう?瑞希がひき殺すって物騒なこと言いやがるから。」
「俺そんなこと言ったか!?」
「言ったで!わしが聞いた直後に、ゆったやないでっかぁ~!?」
「よしよし、傷ついたね、ヤマトっち!」
「つーことで、事情は聞きました!凛のことはもちろんー」
「あとは俺らに任せて下――――――――あれ?そいつ誰っすか?」
俺を見ていた大河の眼が、軒猿へと移る。
「忍者服着てるけど、まさか――――――!?」
「真田先輩!」
「実物を見たヤマトっち!」
「うはははは!誰かと思えば、凛を狙っとる忍者やんけ~!」
「「「「「「なに!?」」」」」」
「バラすな、五十嵐!!」
注意するが遅かった。
高千穂と番随院の呼びかけに五十嵐が応じる。
関西人の言葉に、目の色を変える龍星軍達。
「テメーが軒猿か!?」
「凛さんをやりやがった下種野郎っ!!」
「リンリンの腕、再起不能にしかけた奴か・・・?」
「うはははは!ちーちゃん、普通にしゃべっとるのぉ~キレとる証拠やで~はよう、謝り、おサルちゃん。」
「軒猿だよ!てか、これは俺の半分はせいだけど、半分は違う!凛道を捕まえたのは俺じゃない!!」
「凛を捕まえただぁ!?」
「軒猿しゃべるな!!」
「賞金出して、凛道蓮を俺に捕まえさせようとしたのはー」
〈私よ。〉
覚えのある声が耳に届く。
この声は!?
「なんすか、瑞希先輩!?どこからしてるんすか!?」
「大河、真田先輩!あそこにスピーカーが!」
吾妻が出所を見つけるが、それどころじゃなかった。
「瑞希、『この声』はまさか!?」
「嘘でしょ・・・みーちゃん・・・!?」
「凛道を狙っていたのは、やはり・・・!」
「わははは・・・・あの女かぁ~?」
〈久しぶりね、初代龍星軍のみなさん。〉
ギーガガガガッ!!
その声に合わせて、シャッターが動く。
「開くか!?」
そう思ったのだがー
クルン、パタン!
「「「「「「って!?ひっくり返って、テレビ画面が出てきただけかよ!?」」」」」」
「開かんのかいな!?」
「忍者屋敷ではよくある仕掛けだね。」
ツッコミを入れる現役メンバーに、なごやかに解説する軒猿。
〔★ここは廃墟だ★〕