彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「・・・・どうしたの、瑞希お兄ちゃん?」
石段まで戻ったところで、ようやくまともに声をかけられた。
「凛。」
私の名を呼んで立ち止まる好きな人。
「お前だけは・・・!」
「え・・・?」
私を見ているようで見てない眼。
「お前だけは・・・!お前だけは・・・・!!」
「あ!?」
ギュゥウウウ・・・・!!
「俺が守る・・・・・・!!」
「瑞希・・・お兄ちゃん・・・・!?」
「凛だけは、凛だけは、俺が・・・・・!」
そう言いながら、私の体にしがみつく。
そのまま、ズルズルとずり落ちて。
「お兄ちゃん!?」
「凛・・・・!」
その場に膝をつき、私の腰にしがみついたまま固まってしまった好きな人。
(ええ!?抱き付かれてる!?いや、しがみつかれてる!?どっちにしても・・・・)
嬉しいけど。
(・・・・・・・・なにか、よくないことが起きた・・・・・・・・・?)
素直に喜べないぐらい、彼の顔は真っ青だった。
「すまねぇ凛・・・すまねぇ・・・俺を許さないでくれ・・・陽翔・・・凛・・・!」
(瑞希お兄ちゃん・・・!?)
何が起きたの?
何でそんな顔するの?
何で私と伊吹陽翔の名前を一緒に呼ぶの――――――?
処理しきれない情報が頭を駆け巡る。
突然、ひょう変した瑞希お兄ちゃんに私の体は固まってしまったけど。
「――――――――大丈夫です。」
強い口調で断言する。
「僕はいなくなりません。」
様子のおかしい瑞希お兄ちゃんを何とかしたかった。
不安はあったが、いつも彼がしてくれるように真似をした。
しがみ付いてるその頭をかき抱き、よしよしとサラサラの髪をなでる。
「あなたは許される立場にあります。僕が保証します。」
「凛・・・!?」
「今度は僕があなたを助ける番です。あなたが許されたと思えるまで、いつまで側にいます。お付き合いします。」
「ダメだ!無関係の凛を巻き込めない!凛は、マジで関係―――――――」
「あります。」
動揺する彼の額を、優しくなでながら言った。