彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「僕は、あなたの凛です。あなたのものです。龍星軍を引き継いだものです。」
「凛・・・・」
「だから、こうやってあなたに甘える権利があるんです・・・・」
笑って。
そんな顔しないで。
笑ってよ、瑞希お兄ちゃん。
そんな思いを込めて笑顔を作る。
「大好きです、瑞希お兄ちゃん。なにがあっても、この気持ちは変わらないよ・・・」
「・・・ああ・・・ああ・・・凛・・・・すまねぇ・・・・凛・・・・!」
とぎれとぎれにつぶやくと、ギューと、痛いぐらい私にしがみついてきた。
その痛みさえ心地よくて、不安をかき消してくれるようで、よしよしと彼の頭をなで続けた。
(一体どうしたんだろう・・・・?)
彼らしくない態度。
こんなこと初めてだった。
いきなり連れ出したかと思えば、抱き付いて、すがりついて・・・・
(それでも――――――――)
「俺のせいで、俺のせいで、凛は・・・・!」
「悪くない・・・。」
(この状況は、悪くない・・・・)
私の言葉に、ビクッと身を震わせ、顔を上げる。
透き通る瞳が私を見る。
「悪くない、だと・・・・?」
「ええ、あなたは悪くありません。」
聞かれてしまったつぶやきを、そう言ってごまかすドス黒い私。
「だから、もう少しこうさせて下さいね・・・」
「・・・凛・・・・!!」
彼に触れていたくて、へりくだり、それがバレないようにその身を抱く。
これに私の好きな人は、強い力のまま、顔を私に押し付けてきた。
胸に顔を埋められたけど気にしない。
さらしを巻いているし、それでバレてしまったらそこまでだと・・・・その時は思った。
瑞希お兄ちゃんの突然の異変に驚きもあったけど、喜びもあった。
(瑞希お兄ちゃんが私に甘えてくれている・・・・。)
好きな人にひざまずかれ、私は少し浮かれてしまった。
なぜ、こうなったのか?
ちゃんと、その場の状況を考えられていなかった・・・・・と、あとで後悔するとは、この時の私は思いもしなかった。
とても単純だった。
「凛・・・・」
「ここにいますよ・・・・」
私は本当に、目先の欲にとらわれた馬鹿な子供だった。