彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
凛たんを連れ、俺に陽翔への花を渡して瑞希は現場から離れた。
「な、なんなんすか!?真田さん、どうしちゃったんすか??」
瑞希が立ち去った後、なんで帰ったのかと不思議がる可児。
「わかんねぇよな。」
「わからないっすよ!教えて下さい!」
素直に教えを乞う相手に、俺は告げる。
「問題が発生したんだ。」
「それはわかります!だから、それがなにかをー!」
「花だよ。」
「花?」
夏の日差しの中、小さくゆれている白と黄色の花びらを見る。
「スノードロップとオトギリソウね・・・」
それを交互に触ってから言った。
「この白い花はスノードロップ。黄色はオトギリソウという。」
「はあ、そうなんすか・・・?」
「スノードロップの花言葉は、『希望』『慰め』『逆境のなかの希望』『恋の最初のまなざし』・・・っていうんだ。なかなかロマンチックだろう?」
「わはははは!さすが女ったらし!詳しいな!!」
「褒め言葉サンキュー。」
「そ、そんな色っぽい花を、墓に供えていったんすかぁ!?」
呆れる可児に、俺も同じ顔で答える。
「まぁな。俺なら生きてる奴にも贈らないがな。」
「・・・・あたしも。」
「へ?朝霧さんまで、なぜです?」
おっと、前言撤回。
俺達は答える。
「だって、良い意味よりも、悪い意味の方が有名だもん。」
「悪い意味?なんすか?」
「「「「あなたの死を望みます。」」」」
可児の問いで、俺達4人の声がそろう。
「え・・・!?」
答えを聞いた瞬間、それで表情を引きつらせる可児。
かまわず、俺は話し続けた。
「スノードロップは昔、死者に向かって贈った花だったという言い伝えがある。だから、人に贈るような野暮はしない。」
「死ねって言ってるみたいでやーよ、私。」
「嫌いな奴にくれてやるのにはいい。」
「俺様は花を贈る趣味はねぇがな!」
「け、けど!悪い方にとらえすぎじゃないですか??希望とか~良い意味があるじゃないですか!?」
「それは、『身内の死で悲しむ奴らのため』だけへの慰めの花言葉だからだ。」
「へ!?故人じゃなくて、その身内のため!?」
「そうだ。身内を励ます意味で・・・本来は、『死』を意味する不吉な意味しかない・・・」
「じゃ・・・じゃあ、この白いのと一緒に供えてある黄色い花も・・・!?」
「オトギリソウか?」
夏の日差し中でも元気にしている花。
供えて、それほど時間は経ってないんだろうな・・・
そんなことを推理していれば、案の定、可児が聞いてきた。