BAD & BAD【Ⅰ】
視線を上げてみれば、神雷メンバーほぼ全員がホール全体を使って何かをしていた。
「だーるーまーさーんーがー……ころんだっ」
「うわあっ」
「真修アウト!」
遊戯室の扉の前に立っている桃太郎が、振り返った瞬間にコケた真修。
……だるまさんがころんだをやっているのね。
なぜ、たくさんある遊びからそれを選んだ?
楽しそうだけれども!
師匠なんかノリノリでポーズをキメて、副総長は階段に座って安定のダラけスタイル。
桃太郎がチビだからか、一瞬だけ幼稚園児が遊んでるように錯覚しちゃったよ。
「お前ら!!」
たかやんが声を張り上げて、だるまさんがころんだを強制的に中断させた。
皆が、一斉にこちらに向く。
「……ん?2人とも、まだ行ってなかったのか。つか、新入り、いつの間に来てたんだよ」
「ついさっき」
「今日は来ねぇと思ってたぜ」
「なに?寂しかった?」
「んなこと言ってねぇだろ!?」
桃太郎、顔真っ赤だよ?
そうかそうか、寂しかったのか。