BAD & BAD【Ⅰ】



視線を上げてみれば、神雷メンバーほぼ全員がホール全体を使って何かをしていた。



「だーるーまーさーんーがー……ころんだっ」


「うわあっ」


「真修アウト!」



遊戯室の扉の前に立っている桃太郎が、振り返った瞬間にコケた真修。


……だるまさんがころんだをやっているのね。



なぜ、たくさんある遊びからそれを選んだ?

楽しそうだけれども!


師匠なんかノリノリでポーズをキメて、副総長は階段に座って安定のダラけスタイル。



桃太郎がチビだからか、一瞬だけ幼稚園児が遊んでるように錯覚しちゃったよ。




「お前ら!!」



たかやんが声を張り上げて、だるまさんがころんだを強制的に中断させた。


皆が、一斉にこちらに向く。




「……ん?2人とも、まだ行ってなかったのか。つか、新入り、いつの間に来てたんだよ」


「ついさっき」


「今日は来ねぇと思ってたぜ」


「なに?寂しかった?」


「んなこと言ってねぇだろ!?」




桃太郎、顔真っ赤だよ?

そうかそうか、寂しかったのか。



< 292 / 540 >

この作品をシェア

pagetop