BAD & BAD【Ⅰ】
予測通り、首長が騒がしさ溢れる繁華街にやって来た。
路地で身を潜ませながら、首長を覗き見る。
うわ、ボディーガード連れてる。かっけぇ。
計画が本当に順調なのかを視察に来た首長が、丸腰なわけないか。
それはつまり、危険な不良を自分の目で見に来たってことだもんね。
ボディーガードがいるなら、なおさらやんちゃしないといけないな。
「剛、準備はいい?」
「とっくにできてる」
「じゃあ、行こうか」
「おう!」
――神雷は良い子の集まりだよ大作戦、始動だ!!
私と剛は路地を飛び出し、首長に突進する勢いで駆け寄った。
「なっ、なんだ貴様らは……!!」
あからさまに怪しい私達を目の当たりにし、首長は恐怖と驚きで一歩退く。