騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「それなら、あの時交わした約束も、覚えているな」
「約束? あの薔薇を、綺麗に咲かせるという話?」
「……違う。まさかお前、そこは覚えていないのか?」
「ええ……?」
「あのあと俺たちは庭園で話しているところを晩餐会に招かれていた他国の王子に見つかった。そいつに薔薇を奪われたビアンカは泣き出して、一向に泣きやまないから、俺は──」
と、そこまで言ってルーカスは言葉を止めた。
そして訝しげに目を細めると、再び静かに口を開く。
「……いや、やっぱりいい」
「ええ!? そこまで言われたら気になる!」
「忘れているお前が悪い。思い出せないなら一生気にしていろ。バカみたいに毎日、そのことばかり考えていたらいい」
イジワルな物言いに、ビアンカは思わず頬を膨らませた。
(教えてくれたっていいじゃない。別に減るものじゃないし、寧ろ教えてくれたほうが夫婦としての仲も深まるかもしれないのに!)
「……ルーカスって、案外子供みたいね」
「何?」
「好きな子をイジメて楽しむタイプでしょう? そんなんじゃいくら容姿が整っていても、女の子にはモテないんだから──ひゃっ!?」
「別にいい」
ルーカスの手が、唐突にビアンカのネグリジェの裾を持ち上げた。