騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「ルーカスは……私で満足、できているのかな?」
けれどいつだって、そんな風に感じているのは自分だけではないのかと、ビアンカは不安だった。
彼に付いていくのが精一杯で、所謂、物足りなさみたいなものをルーカスは感じていないだろうか……と。
身体を重ねる以前は重ねること自体に悩み、いざ重ねたら重ねたで新たな不安が出てくるものだ。
そしてビアンカがそんな風に思ってしまうのも、ビアンカ自身もルーカスに惹かれているからこそであるということに、鈍いビアンカ自身は気付いてはいなかった。
「愚問でしょう」
「へ?」
「満足できないのなら、毎夜、ビアンカ様の意識がなくなるまで抱きませんよ。寧ろ、良すぎてルーカス様は我慢のストッパーみたいなものが壊れてしまったのでは?」
「……っ」
再び恥ずかしげもなく言い放たれたアンナの言葉に、ビアンカは今度こそ耳まで顔を赤く染めた。
今はまだ、太陽の昇る昼間だというのに明け透けに言ってのけるから大物だ。
今の言葉をルーカスが聞いたら、失礼なアンナのことを容赦なく切り捨てそう。
「い、今更だけど、アンナって、実は結構恋愛経験も豊富なの……?」
思わず尋ねたビアンカを、アンナは意味ありげに微笑むだけで、いなしてしまう。
「そんなことより今日は、近隣諸国の王族たちが集まる晩餐会なのですから。いい加減、シャキッとしていただかなければ困りますよ」
その上、話まで切り上げられて、ビアンカはそれ以上を追求することはできなかった。