騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
 


「大丈夫。だって、これからそのルーカスと会うんだもの。それに中央庭園は王宮内の真ん中に位置する庭園よ。ここで何か危ないことが起きるなんて、とてもじゃないけど思えないわ」


ビアンカの言葉に、騎士団員の二人は難しそうに唸った。

中央庭園は、広大な広さを誇る王宮の中でも一番大きな庭園で、美しく咲き誇る薔薇が印象的なことから通称"薔薇園"とも呼ばれている。

王宮お抱えの一流庭師が丹精込めて整備しているのだと、セントリューズに嫁いできた日に女官の一人から聞かされていた。

ビアンカの記憶が確かであれば、ルーカスと初めて話したのもここ、中央庭園だ。

あの時はまだ幼くて、広すぎる庭園が立派だと思うより先に、迷路か何かの遊び場のように感じたけれど……。


「ねっ。だから、少しだけここで待っていてくれる? ルーカスと会えたら、必ずここに戻ってくるから」

「し、しかし……」

「絶対に、危ないことなんてしないわ。何かあればすぐに、引き返して来るから」

「わ、わかりました。くれぐれも、お気をつけて」

「ありがとう!」


渋々といった様子で頷いてくれた騎士団員二人に向かってビアンカは微笑むと、重いドレスを連れながら、庭園へと足を踏み入れた。


「わぁ……!」


目の前には満開に咲き誇る美しい薔薇たち。ツルバラ、フロリバンダ、オールドローズと咲き乱れ、広い庭園を見事に彩っている。

雲間から顔を出す太陽の陽の光を浴びた薔薇園はどこか幻想的で、ここが王宮内であるということも忘れてしまいそうなほど。

脇の蕾もしっかりとした花を咲かせ、庭師がどれだけ手を掛け大事に花を育てているのか良くわかる。

 
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