騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「も、申し遅れました……! 私はセントリューズ王弟殿下の妃にございます。この度はダラム国王様にお会いできて、誠に光栄でございます」
ビアンカはドレスの裾を持ち上げると、慌ててダラム国王に向かって頭を下げた。
早速、失礼があってはいけない相手だ。
ビアンカの挨拶に、「おお!」と嬉しそうな声を漏らしたダラム国王は、大きなお腹を揺らしながら彼女の元まで歩いてきた。
「あなたが、セントリューズの英雄と名高い王弟に嫁いだ麗しい姫君か! お噂はかねがね……あの王弟殿下が寵愛を捧げていると聞き、今日はお会いできるのを楽しみにしていたのですよ!」
「は、はぁ……ありがとう存じます」
「いやはやまさか、晩餐会前にお会いできるとは!」
国王の興奮しきった様子に、ビアンカは思わず一歩、後ろへと足を引いた。
改めて近くで見ると、目が痛くなるような派手な衣装だ。その衣装と同様、ビアンカを見る目もギラギラと光っている。
それにしても……ルーカスがビアンカを寵愛しているという噂が、まさか近隣諸国にまで拡がっていようとは。ビアンカは噂の内容を想像して、なんだか頭が痛くなった。
「しかし……噂に違わぬどころか噂以上にお美しい姫君だ。これは王弟殿下が夢中になるのも頷ける」
「きょ……恐縮でございます」
「どうです、姫君。せっかくですから晩餐会前に、私と庭の散策でも。ちょうど退屈していたところなのです。麗しい姫君にお相手していただけるなら、何よりの幸せです!」
「え……っ」
と、ダラム国王が唐突にビアンカの手を取った。
突然のことに驚き固まっていると、そのままダラム国王に引き寄せられる。