騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「随分と、ケチな人ね」
「ハハッ、勝ち気な女は嫌いじゃないぜ。まぁ……お前が俺の女になるっていうなら考えてやってもいいけどな」
「……っ!!」
厭らしく笑った男の手が、ビアンカに向かって伸びてきた。
「イヤ……っ!!」
ビアンカは咄嗟にそれを振り払うと、胸の前で両手を強く握って男を睨んだ。
「……っ、てーな」
「あなたの女になるなんて、死んでもごめんよ!!」
「ハッ……それなら一度、死んでみるか?」
目に憎悪を滲ませた男。再び伸ばされた男の手がビアンカの髪を強く掴んだ。
「い……っ」
あまりの痛さに目の前が歪む。けれど男はそんなことはお構い無しで、自分を見ろとばかりにビアンカの顔を持ち上げた。
「少しは賢い女かと思ったら……お前は自分が今どういう状況に置かれているのか、まるでわかってないらしいな」
「は、離して……っ」
痛いと口にするのは負けた気がして、したくなかった。
(だけど……一体、どうすればいいの?)
抵抗しようにも、所詮、女と男の力の差を見せつけられるだけ。
その上、大柄な身体と同じくゴツゴツとした大きな手は、リンゴ程度は簡単に握り潰してしまいそうだ。