騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
 


「お前の命も何もかもが、今、俺の手の中にある。お前をどうしようと俺の自由だし、ほら、こんなこともできるんだぜ」

「や……っ、やめてっ!!」


男はビアンカの髪を掴んだまま、自身のそばへと引き寄せた。身の危険を感じたビアンカが咄嗟に男の手首を掴んで抵抗を試みるも、太い腕はビクともしない。


「自分の寵愛する妃が、他の男に辱めを受けたとなったら……あの男がどんな顔をするか、見ものだな」

「や……っ」


べろり、と、舌なめずりをした男は欲を滲ませた目でビアンカの顔を覗き見た。

不快な視線に再び顔を歪めると、男は愉快そうに口角を上げる。


「まずは、味見させてもらおうか」


このままだと本当に、危ない。このまま、この男の思うがままにされてしまうの?

ルーカス以外の男に、身体を許すなんて──そんなの、絶対にイヤっ!!


「は、離して!」

「離すわけねぇだろ」

「……っ、やめてって言ってるの!!」

「やめる理由がねぇなぁ」


本当に、なんなの!?


「あ……あなたが、悪いんだからね」

「ああ?」

「あなたが、離してくれないから、私も──」

「何を言って──って、ぐわ……っ!?」


ゴン……っ!! 突如、部屋の中に響いたのは、鈍い衝突音だった。

痛みで顔を歪める男。ビアンカが自慢の石頭を男の額にお見舞いさせたのだ。

 
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