騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「今度こそここが、お前の墓場となるのだ!!」
ガムシャラに振り回される剣を、ルーカスがヒラリ、ヒラリと交わしていく。
「チッ、逃げてばかりいやがってっ! この俺に、怖気づいたか!!」
興奮しきっている男は、中々交わらない剣に苛立ちながら、足を前へ前へと踏み出した。
「ほら!! 悔しかったらお前も剣を振るってみろ!!」
「…………」
それは一見、ルーカスが押されているようにも見えるけれど……男が振るう剣は乱暴そのもので、品性の欠片もない。
そのまましばらく、男の剣を交わすだけだったルーカス。
と、思い立ったように、倒れているビアンカと対角線上となる部屋の隅で足を止めると、石壁を背にして、ようやく手に持っていた剣を前に構えた。
「ハハッ、ついに逃げ道がなくなったぞ!!」
高笑いをした男が前に踏み込んで、ルーカスに勢い良く斬りかかる。
全てを視線だけで追い掛けていたビアンカも、思わずア……ッと息を呑む速さだった。