騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「でも……ルーカスは、私を探すためにわざわざ、正装から着替えたの?」
「いや、上着を変えただけだ。指揮をとるには、どうにも正装のままだとやり辛くて」
──やり辛い?
と、ビアンカが、ルーカスの言葉に首を傾げた時。突然、バタバタといういくつもの騒がしい足音が、辺り一帯に響いた。
(な、何……!?)
ビアンカが反射的にルーカスのシャツをギュッと掴んで身構えると、温かい手が肩に回される。
まさか、男の仲間がやってきたのだろうか。足音からして随分な大人数だ。
もし、また男のような人間が、何人もここに乗り込んできたとしたら──さすがのルーカスでも、全員を相手にするのは難しいかもしれない。
「……大丈夫だ」
「え……」
「そろそろ辿り着くだろうと思っていた」
と、ルーカスが静かに微笑んだ瞬間、
「団長……! ビアンカ様っ!! ご無事ですか!?」
現れたのは、彼の部下であるジェドだった。
更には数人の騎士団員たちがジェドの後ろにいるのが見えて、ビアンカの肩から力が抜ける。
その中には今日、ビアンカの護衛についていた二人の姿も見えた。
「ジェド、遅かったな」
「申し訳ありません。少々、証拠集めに手こずりまして……」
「証拠集め?」
ジェドの言葉を不思議に思ったビアンカが、思わず聞き返す。
すると、そんなビアンカを抱きよせながら、ルーカスが静かに口を開いた。